「大人乳歯」という言葉をご存知でしょうか。乳歯が永久歯に生え変わらないため、大人になっても乳歯を使い続けている状態のことで、医学的には「永久歯の先天性欠如」と呼びます。

およそ10人に1人が該当すると推測される「永久歯の先天性欠如」。実は、歯並びにも影響を与える可能性が指摘されており、歯科矯正が必要になるケースがあります。

そこで今回は、「永久歯の先天性欠如」について詳しくご紹介します。

「永久歯の先天性欠如」ってどんな状態?

「永久歯の先天性欠如」とは、生まれつき「永久歯の卵」である歯胚(しはい)が、あごの骨の中に存在しない状態を指します。

歯胚は成長とともに乳歯の根っこを溶かし、乳歯から永久歯へと生え変わるのですが、「永久歯の先天性欠如」の状態だと、この過程が起こらずに乳歯が残って「大人乳歯」となるのです。

永久歯は全部で28本ありますが、先天性欠如が起こる歯は、ほとんどの場合1〜2本、多くても6本程度なのが一般的です。

大人乳歯の寿命は?「永久歯の先天性欠如」の問題点

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本来、乳歯は永久歯が生えるまでの一時的な役割を果たすためのものにすぎません。「永久歯の先天性欠如」によって「大人乳歯」を長期間使い続けると、さまざまな問題が生じます。

1.「大人乳歯」は虫歯リスク大!永久歯より寿命が短い傾向に

乳歯は永久歯に比べ、歯を保護する「エナメル質」や、歯の主体をなす「象牙質」が薄く、歯の根っこも短いという特徴があります。
そのため、永久歯よりも虫歯になりやすく、虫歯になった場合は抜歯に至ってしまうことが多いのです。

大人乳歯の寿命には個人差がありますが、早ければ20代で抜けてしまうというケースもあります。

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2.歯並びが乱れやすい

乳歯は永久歯より本数が少なく、サイズもコンパクトです。
そのため、大人の大きさに成長したあごに「大人乳歯」が生えていると、歯と歯の間に隙間が生じる「すきっ歯」になりやすいという特徴があります。

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永久歯の先天性欠如と診断されたら歯科矯正が必要?気になる対処法は?

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永久歯の先天性欠如と診断されたら、どのように対応すればよいのでしょうか。

デリケートな大人乳歯の寿命を伸ばす!虫歯を防いで長持ちさせよう

最も大切なのは「大人乳歯」を失うことのないよう、徹底的に虫歯を予防することです。
毎食後、丁寧に歯磨きをするのはもちろん、虫歯菌の活動をおさえるために、間食もできるだけ控えましょう。
定期的に歯科検診を受けることも虫歯予防には有効です。また、フッ素の含まれた歯磨きペーストを使用するのも良いでしょう。

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大人乳歯が抜けてしまった場合は歯列矯正がおすすめ

不幸にして、大人乳歯が抜けてしまうこともあるでしょう。
抜けたままで放置していると、十分に噛めない、発音がしにくい、などの弊害が出てくるので、適切な治療を行うべきです。

抜けてしまった部分を補うには、「入れ歯を入れる」「ブリッジをつける」などの方法がありますが、おすすめなのは、周囲の歯を寄せて空いたスペースを閉じられる「歯列矯正」です。

歯列矯正なら自分の歯だけで治療ができるので、きちんとメンテナンスをすれば一生使えますし、見た目も自然です。
入れ歯のように取り外しをするわずらわしさもありません。

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