口呼吸は「虫歯になりやすくなる」「風邪をひきやすくなる」「口臭につながる」など、まさに百害あって一利なし。お子さんの口呼吸をやめさせたいと願う親御さんは多いことでしょう。そこで今回は、口呼吸の原因とその治し方についてご紹介します。

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「口呼吸」と歯並びの密接な関係

子どもが口呼吸になってしまう原因3つ

口呼吸を招く原因にはさまざまなものがありますが、代表的なものは次の3つです。なお、人によってはこれらが重なり合っていることもあります。

その1:歯並びが悪い

「出っ歯」とも呼ばれる開咬では、前に飛び出した歯が邪魔になり、唇を閉じることが物理的に難しいため口呼吸になります。また、「受け口」と呼ばれる下顎前突も、口が閉じにくいので口呼吸の原因になることがあります。

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その2:慢性的な鼻づまりのため鼻呼吸ができない

花粉症やアレルギー性鼻炎があると、日常的に鼻がつまっている状態が続き、口で呼吸するくせがついてしまいます。

その3:口周りの筋力が低下している

下あごを持ち上げる筋肉や唇を閉じる筋肉、そして舌の筋肉の力が低下すると口が開きがちになり、口呼吸になってしまいます。

実はこれには、生活習慣が関係しています。柔らかいメニューばかりを好んで食べていると、噛む回数が少なくなりあごや舌の筋力が低下します。さらに、「口笛を吹く」「風船ガムを膨らます」などの口を使う遊びをあまり行わなければ、唇の周りの筋肉を意識して使う機会も減ってしまうのです。

今日から実践できる!子どもにおすすめの口呼吸の治し方

口呼吸を治すには、原因に応じた対策が必要です。歯並びが悪い場合は矯正歯科を、鼻づまりがある場合は小児科や耳鼻科を受診するとよいでしょう。

一方、口周りの筋力の低下が口呼吸の原因になっている場合には、家庭でのアプローチが可能です。お子さんの場合、長続きさせるために大切なのは、楽しく、無理なく実践できること。日常生活に取り入れやすい2つの工夫をご紹介します。
ピロピロ笛を吹く双子

口の筋肉を使う遊びをさせる

口を使う遊びをすると、楽しみながら口の周りの筋力を強化できます。口を使う遊びには、「シャボン玉」「吹き戻し」「ラッパ」「ハーモニカ」「風船」などがあります。

低年齢のお子さんは、親御さんがやっていることをまねをしたがるもの。親御さんが積極的に遊ぶ姿を見せれば、自然な形で取り組ませることができるでしょう。

子どもの「噛む回数」を増やす

「和食中心のレシピにする」「調理法を工夫する」などで、食事の時に噛む回数が増え、あごの筋力が強化できます。また、よく噛むことを意識させることは、きれいな歯並びを育てることにもつながります。

食事以外では、おやつもポイントです。「ガムを噛ませる」「干し芋やかたやきせんべいのように、噛みごたえのあるものを用意する」などして、口の周りの筋肉トレーニングにつなげましょう。

噛む回数を増やすためのレシピと食習慣については、こちらのコラムもご参照ください。

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正しい対策で口呼吸にさよならを!

お子さんの口呼吸を改善するには、口呼吸になっている原因を突き止め、それにあった対処法を選ぶことが大切です。整った歯並びと、健康な口内環境を手に入れるため、鼻呼吸を目指しましょう。