口内の粘膜が炎症を起こす「口内炎」。さまざまな要因がありますが、同じ箇所に繰り返し口内炎ができる場合は「歯並び」に原因があるかもしれません。
そこで今回は、口内炎の主な原因3つと、歯並びで口内炎ができてしまう場合の対処法についてご紹介します。
口内炎の主な原因
口内炎の主な原因を3つご紹介しましょう。
(1)ストレスや睡眠不足
口内炎の症状でよく見られるのが「アフタ性口内炎」。
直径2mm〜10mmの白っぽい円ができ、その周りが赤い縁で囲まれるものです。
そのときの体調や人にもよりますが、10日〜2週間ほどで完治し、跡はほとんど残りません。
発症の原因ははっきりと分かっていませんが、ストレスや睡眠不足、免疫力の低下など、心身の疲れから生じると見られています。
なかなか治らない場合はほかの病気との関連も考えられるので、早期の診断をおすすめしますが、まずは生活習慣を見直し、ストレスの原因を取り除く努力が必要です。
(2)ウイルスや細菌の増殖
口内炎の中には、ウイルスに感染したり、口内の細菌が増殖することによって引き起こされるものもあります。
ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎は、ヘルペスのウイルスをもつ家族との接触や、咳・くしゃみ・唾液などの飛沫を経由して他人からも感染することがあります。
ウイルスに感染すると、38〜40度の高熱が出ることもあり、口内に水ぶくれができたり、歯ぐきが腫れたりします。食べ物や飲み物を口に含むと痛くなり、生活に支障をきたすことも多いでしょう。とくにお子さんが多い家庭だと、ほかの家族への感染を防ぐため、症状の経過を注視していく必要があります。
カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎は、口内の粘膜に痛みが生じ、味覚障害が起こることもあるものです。
カンジダ菌は口の中に存在する常在菌のひとつですが、免疫力の低下や唾液量が減少すると異常に増殖し、口内炎を発症します。
通常は真菌の生育を阻止するうがい薬や、塗り薬を使って治療します。
(3)物理的な刺激
口内の物理的な刺激によって起こる炎症を、「カタル性口内炎」といいます。
歯の生えている向きによって歯の先が口内を刺激していたり、食事中に誤って舌や頬を噛んでしまったときに起こりやすいものです。
発症すると口内の粘膜が赤く腫れ、赤い斑点、水泡ができることもあります。辛いものや熱いものを食べると患部にしみるので、疾患があるときは刺激的な食品の摂取は避けましょう。
物理的な刺激が続く限り、口内炎を繰り返す
カタル性口内炎の場合、物理的な刺激を解決しないと繰り返し発症してしまいます。
同じ場所にカタル性口内炎が繰り返しできるという方は、まず「口内炎の原因が何か」を歯科医院で確認してもらいましょう。
歯並びのほかにも、歯科治療の詰め物や被せ物が当たる、などが原因になることもあるため、自己判断は禁物です。
口内炎の原因が歯並びの時は
歯並びが口内炎の原因だとわかったら、舌や粘膜にあたっている部分の歯を削る、被せ物を調整する、または、該当の歯を歯列矯正で移動させる、といった方法が有効です。特に、健康な歯を削るのに抵抗感がある方には、歯列矯正がおすすめです。
口内炎は小さな病気ですが、「たかが口内炎」と考えることはおすすめできません。敏感な口の中にできるため大きな不快感をともないますし、しみたり、痛んだりするあまり食事が取りにくくなってしまうこともあります。
歯並びが悪いために口内炎になっているという方は、ぜひ歯並びの治療をおすすめします。